中国株は暴落するのか?

中国株投資や人民元預金を考える上で、懸念材料だったのが中国で不動産バブルが起きている事でした。そして2013年夏、突然のように日本のメディアを騒がせた中国のシャドーバンキング問題。中国の不動産バブルは、上物の価格だけでなく、その根底を支えている融資制度からゆがんでいた事が明らかになりました。シャドーバンキングの規模は130兆円以上、アメリカのサブプライムローンと同レベルとも推計されており、これは極めて深刻な問題です。

では本当に、中国の不動産バブルは崩壊するのでしょうか?だとすれば、中国株(上海・香港)も暴落するのでしょうか?

まず、中国の不動産バブルについては、もはやソフトランディングは不可能な域に達しています。後はいつバブルが弾けるのか、そして(シャドーバンキングの規模がはっきりしないため)一体どの程度経済に悪影響を及ぼすか、これを心配する段階に入っています。

そして、不動産バブルが弾けた規模によって、上海株や香港株の暴落規模も変わってくると予測されます。上海株式市場は、中国経済と直結する企業ばかりが上場しており、また投資家もほぼ全て中国人です。シャドーバンキングへ投資している中国人投資家と、上海市場の投資家は、完全に層が被ります。シャドーバンキングで損失を負った投資家が、上海株を投げ売りに走る可能性は極めて高く、従って暴落は絶対に避けられないと思われます。

一方、香港株式市場は香港ドル建てで、投資家は全て外国人です。また仮に人民元の切り下げが行われても、株価は香港ドル建てなので、直接の影響はありません。しかし、香港上場の企業も、結局はその利益の大半を中国本土で稼いでいるので、業績の悪化⇒株価の下落は避けられないでしょう。

要するに中国株は、本土(上海市場)にせよ、香港市場にせよ、近い将来、大暴落する可能性が極めて高いと予想されるのです。バブルというのはいつ弾けるのか、言い換えるといつまで続くのかは誰にも分かりませんが、弾ける事はほぼ100%避けられない情勢なのです。

ちなみに、サブプライムローン問題(その後のリーマンショック含む)でのアメリカ株=NYダウ平均株価は、ピーク時の14000ドル(2007年8月)から6600ドル(2009年3月)へと、53%の暴落を記録しています。また、日本の不動産バブル時は、日経平均株価はピーク時の38915円(1989年末)から14194円(1992年8月)へと約63%の暴落を記録しました。

また、上海総合指数が前回バブルのピークだった時(2007年10月・6124)から、底値に落ちるまで(2008年10月・1664)の下落率は、約73%もの大暴落でした。

  • NYダウ平均株価=ピークから底値まで20ヶ月・下落率は53%
  • 日経平均株価=ピークから底値まで32ヶ月・下落率は63%
  • 上海総合指数=ピークから底値まで25ヶ月・下落率は73%

大きなバブルが弾けると、株式市場は概ねこの程度暴落するのだという目安は、2年弱~3年弱の期間で50~70%の下落率というのが、統計から導き出されます。

未来は誰にも分かりませんから、将来の予測は歴史に習うしかありません。上記の暴落記録を参考に覚えておくと、役に立つかも知れません。